私的東海道五十三次 品川宿〜川崎宿 その32020/09/19


 個人商店が衰退の流れになり、コンビニやショッピングセンターに集約するのが世の流れであるわけで、個人商店はすっかり減ってしまったのであるが、それでも業種によってはまだ生き延びているものがある。それがタバコ屋である。
 そして今回、品川宿から川崎宿を歩く間に見つけた3軒のタバコ屋は全て「角のタバコ屋」であった。ご紹介しよう。

 1つめは青物横丁の手前付近である。
 比較的新しい軽量鉄骨造(と思われる)2階建の建物で、旧東海道に面してアルミサッシの大開口が配されているのと、紺色のテントが設置されている。デザイン的に見るものは無いが、まるでNゲージのレイアウト用にTomixあたりが販売していそうな空気感である。

青物横丁

 2つめは立会川付近である。したの写真の右側に奥に伸びているが旧東海道で、立会川駅へ逸れる道の角にある。ただし残念ながら閉店しているようである。
 木造モルタル塗りの看板建築であったり、角部分にポストがあるのは非常にポイントが高い。

立会川

 3つめは大森町近辺である。一見すると角ではないように思えるが、赤い矢印の箇所は実は道である。店の内部にアクセスできるのは僅か半間の扉部分のみとなっていて来るものを拒む店構えであるが、取り囲むように設置された自販機群で概ねの用は足りるのであろう。

大森町

 番外編として品川寺(青物横丁付近)を紹介しよう。この付近には10年ほど前まで非常に古いタバコ屋が現存していた。このタバコ屋にはカウンターがあり、その上部には平仮名で「こばた」と逆読みとなっ美しいステンドグラスがしつらえられていたのである。しかし気がつくと集合住宅に建て替えられてしまっていた。時代の流れで仕方がないが、ステンドグラスはどこかで現存していることを祈るのである。

品川寺